背側 のバックアップ(No.4)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
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背側とは、おなか側-背中側の背中側のこと。背中の方向、または背中に近い部分をさす。対義語は、腹側。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 背側 | はいそく |
英語 | dorsal | ドーサル |
ヒトの場合、体の方向を考えるときには、直立している(解剖学的正位)ときのことを考えるので、背側とは、体の後方と同じ意味になる。
ただし、大脳などの脳の背側・腹側は示す方向が異なることに注意が必要。大脳では、脳の背側とは脳の上方、つまり頭のてっぺん(=頭頂)の方向のことで、大脳の腹側とは脳の下方のこと。
この方向のずれがなぜ起こるかというと、背側、腹側という用語が、もともと体軸(体の軸の方向、たとえば背骨)の向きに対して定義されているため。ネズミ、イヌ、ネコなどの四足歩行をする動物では、体の軸は頭から尾に向かって前後にまっすぐになっているので、背側は上方、腹側は下方を示す。一方、立ち上がって二足歩行をするヒトでは、頭部の軸は四足動物と同じ前後の向きのまま、体の軸だけが上下方向となる(ヒトの体軸の向きが首のところで折れ曲がっていると考える)。そこで、頭部にある構造の背側・腹側は上下を、体の背側・腹側は前後を指す。