体軸
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
体軸とは、体の方向を示す軸のこと。本来は、体の向きを示す3つの方向、頭尾軸、背腹軸、左右軸をまとめて呼ぶ言い方。ただし、断層像などの分野で体軸というと、その3つの方向のうち、とくに頭尾軸を指す。頭尾軸はヒトが直立しているときの上下軸(垂直軸)と同じ意味。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 体軸 | たいじく |
英語 | body axis | バディ・アクスィス |
本来の体軸 †
体軸とは、体の方向を示す直線の向きのことで、頭尾軸、背腹軸、左右軸の3方向ある。
- 頭尾軸
- 頭方(頭側)と尾方(尾側)を結ぶ直線の向き。背骨の向き。解剖学的正位(直立しているとき)では、上下軸、垂直軸ともいう。四足動物では、前後軸ともいう。
- 背腹軸
- 背側と腹側を結ぶ直線の向き。解剖学的正位(直立しているとき)では、前後軸ともいう。四足動物では、上下軸ともいう。
- 左右軸
- 体の左右の方向。
発生学では、もともとは1個の細胞である受精卵から胎児ができてくるとき、どこが体軸になるのかを決めて区別する遺伝子発現が起こって、頭尾軸、背腹軸、左右軸ごとに別の構造がつくられていく。これを体軸形成という。
断層像の体軸 †
3つの体軸のうち、頭尾軸(ヒトの場合は垂直軸、上下軸ともいう)だけを特に、体軸と呼ぶことがある。体軸に垂直な方向の断面を axial plane(軸位面、体軸面)と呼ぶ。軸位面(軸位断面)は、水平面(水平断面)と同じ向き。