交感神経系 のバックアップの現在との差分(No.3)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

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> [[交感神経]]でこの項目を参照しています

> 関連する内容が、[[自律神経系]]にあります

 ''交感神経系''とは、または''交感神経''とは、[[内臓]]の機能などを、意識せずに自動的に調節する働きをもつ[[神経]]のグループで、もうひとつの[[副交感神経系]]とともに、[[自律神経系]]に含まれる。交感神経と副交感神経の働きは反対で、お互いの活動のバランスで、内臓機能を調節している。交感神経は体を活動的に、運動しやすくするように調節するのに対し、副交感神経は体を休息させ、同時に栄養の摂取や生殖などを活発化させる。交感神経と副交感神経の両方に共通する内容については、[[自律神経系]]の項目を参照。
 ''交感神経系''とは、または''交感神経''とは、[[内臓]]の機能などを、意識せずに自動的に調節する働きをもつ[[神経]]のグループのひとつで、もうひとつの[[副交感神経系]]とともに、[[自律神経系]]に含まれる。交感神経と副交感神経の働きは反対で、お互いの活動のバランスで、内臓機能を調節している。交感神経は体を活動的に、運動しやすくするように調節するのに対し、副交感神経は体を休息させ、同時に栄養の摂取や生殖などを活発化させる。交感神経と副交感神経の両方に共通する内容については、[[自律神経系]]の項目を参照。

|>|~言語|~表記|~発音、読み方 |
|日本語|医学|[[交感神経系]] * |こうかんしんけいけい |
|~|~|[[交感神経]] * |こうかんしんけい |
|>|英語|sympathetic nervous system * |スィンパ''スィ''ティック・''ナ''ーヴァス・''スィ''ステム|
|~|~|sympathetic nerve * |スィンパ''スィ''ティック・''ナ''ーヴ |

| * |  交感 sympathetic とは、共感の意味で、体のいろいろな場所や器官などの機能の間に、互いに関連する共通の調節を行うことから付けられた |f

 交感神経も副交感神経もどちらも[[中枢神経系]]([[脳]]と[[脊髄]])からの指令を内臓などまで伝える、[[遠心性]]の[[末梢神経]]である。[[頭部]]から[[胸部]]、[[腹部]]などの多くの内臓機能の他、全身の[[皮膚]]や[[血管]]などにも分布し、[[皮膚]]からの[[汗]]の[[分泌]]や[[毛包]]の[[立毛筋]]の運動(鳥肌)、全身の[[血管]](特に[[動脈]])の収縮なども調節している。おおざっぱな傾向として、交感神経の働きは、体を活動的にし、緊張させ、運動に適した状態にする。副交感神経は逆に体をリラックスさせ、休息させる。

 交感神経が[[中枢神経系]]から出る場所は脊髄の[[胸髄]]と[[腰髄]]。これ以外の脊髄の場所や[[脳]]からは出ていない。交感神経が臓器に到達するまでに、2つの[[ニューロン]]により情報が伝えられる。1つめのニューロンは[[細胞体]]が脊髄の[[胸髄]]か[[腰髄]]にあり、その[[神経線維]]は脊髄前根を通り、胸部から腹部にかけて分布する[[神経節]]([[交感神経節]])に達する。2つめのニューロンの細胞体はこの交感神経節にあり、神経線維は臓器に到達する。交感神経「節」の位置を基準にして、1つめのニューロン(脊髄から交感神経節まで情報を伝えるニューロン)を[[節前ニューロン]]、2つめのニューロン(交感神経節から臓器まで伝えるニューロン)を[[節後ニューロン]]と呼ぶ。交感神経の[[シナプス]]で使われる[[神経伝達物質]]は節前ニューロンでは[[アセチルコリン]]で、節後ニューロンでは[[アドレナリン]](=エピネフリン)である。
 交感神経が[[中枢神経系]]から出る場所は[[脊髄]]の[[胸髄]]と[[腰髄]]で、脊髄を出るときは脊髄神経の一部ととして出る。これ以外の脊髄の場所や[[脳]]からは出ていない。交感神経が臓器に到達するまでに、2つの[[ニューロン]]により情報が伝えられる。1つめのニューロンは[[細胞体]]が脊髄の[[胸髄]]か[[腰髄]]にあり、その[[神経線維]]は脊髄前根を通り、胸部から腹部にかけて分布する[[神経節]]([[交感神経節]])に達する。2つめのニューロンの細胞体はこの交感神経節にあり、神経線維は臓器に到達する。交感神経「節」の位置を基準にして、1つめのニューロン(脊髄から交感神経節まで情報を伝えるニューロン)を[[節前ニューロン]]、2つめのニューロン(交感神経節から臓器まで伝えるニューロン)を[[節後ニューロン]]と呼ぶ。交感神経の[[シナプス]]で使われる[[神経伝達物質]]は節前ニューロンでは[[アセチルコリン]]で、節後ニューロンでは[[ノルアドレナリン]](=ノルエピネフリン)である。

 [[交感神経節]]は[[胸部]]から[[腹部]]にかけていくつもある。どこにあるかで2種類にわけられる。ひとつは、背骨(脊柱)の両側に、これと平行して上下に走る[[交感神経幹]]に[[神経節]]で([[交感神経幹神経節]])、もうひとつは、背骨の前面、腹部の大動脈の周辺にある交感神経節([[椎前神経節]])。交感神経はこれらのどちらかで、途中中継される。腹部の内臓に向かう交感神経は主に椎前神経節で中継され、それ以外の全身に向かう交感神経は交感神経幹に神経節がある。

> カテゴリー: [[神経系>category/神経系]] | [[末梢神経系>category/末梢神経系]] | [[自律神経系>category/自律神経系]] | [[器官系>category/器官系]]

 
 

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