シャーピー線維 のバックアップソース(No.1)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 
#author("2021-12-15T14:22:35+09:00","","")
 ''シャーピー線維''とは、または、''貫通線維''とは、[[骨]]の表面の[[コラーゲン線維束]]が骨内部にめりこんでいる部分のこと。骨についている[[靭帯]]、[[健]]、[[筋]]などをつなぎとめて支えるための錨(いかり,アンカー)の働きをしている。骨以外に[[歯]]の[[セメント質]]にもある。

|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|[[シャーピー線維]]、シャーピー繊維 * |シャーピーせんい |
|~|~|[[貫通線維]]、貫通繊維 |かんつうせんい |
|>|英語 |Shapey's fiber * |''シャ''ーピーズ・ファイバー |
|~|~|penetrating fiber |ペネト''レイ''ティング・ファイバー |

| * |  シャーピーとは、イギリスのスコットランドの組織学者であるウィリアム・シャーピー(William Sharpey)のこと。[[骨組織]]の研究をした人 |f

 [[骨]]の表面には[[骨膜]]がある。骨膜の主な成分は[[コラーゲン線維]]で、その一部のコラーゲン線維の端は骨内部にもぐりこんで固定されている(骨の表面からコラーゲン線維が生えている、とも言える)。骨にくっついている[[靭帯]]、[[健]],[[筋]]などは骨膜とつながっているが、これらが骨としっかりくっついているのはシャーピー線維のおかげである。

 骨をつくる[[骨基質]]には、I型[[コラーゲン]]がたくさん含まれているが、骨基質のコラーゲンは太いコラーゲン線維をつくらず、ごく細い[[コラーゲン細線維]]としてちらばっていて、骨の弾力のもとになっている。シャーピー線維も同じI型コラーゲンからできているが、こちらは[[骨膜]]と同じくコラーゲンが束になって太い[[コラーゲン線維束]]をつくっている。

 [[歯]]を[[歯槽骨]]に固定する[[コラーゲン線維]]も、歯の根元([[歯根]])の表面にある[[セメント質]]にもぐりこんでいる。これも骨の表面の線維とよく似ていて、シャーピー線維と呼ぶ。つまり、歯を固定するコラーゲン線維は一方の端が歯のセメント質に固定され、反対側の端が歯を囲んでいる歯槽骨に固定されているので、両側がシャーピー線維である。

 元の意味から広がり、[[骨]]や[[セメント質]]の内部に入り込んでいる部分だけでなく、これとつながって骨や歯の表面から外に出ている部分のコラーゲン線維もシャーピー線維と呼ぶ場合もある。

> カテゴリー: [[運動器系>category/運動器系]] | [[骨格系>category/骨格系]] | [[結合組織>category/結合組織]]

 
 

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