バソプレシン のバックアップソース(No.1)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 
 ''バソプレシン,,とは、または''バソプレッシン''とは、[[下垂体後葉]]から[[分泌]]される[[ホルモン]]の名前。[[アミノ酸]]9コからなる[[ペプチドホルモン]]。水分をより多く体内に保持しようとするホルモンで、その作用についてつけられた名前は[[抗利尿ホルモン]]。[[抗利尿]]とは、[[利尿]]([[尿]]をつくるのを促進する)を抑える、という意味で、[[腎臓]]で尿がつくられる途中で尿から水分を[[再吸収]]させて、尿を濃くし、つくられる尿量を減らすことで[[体液]]の量を減らさないように、[[血圧]]が下がらないようにする作用がある。もうひとつの作用は、バソプレシンの名前([[血管]]を(vaso)締め付ける(press))に表れていて、全身の[[血管]]を収縮させて血圧を上げる作用がある。

 バソプレシンはある[[神経細胞]]([[バソプレシンニューロン]])から[[分泌]]される。バソプレシンは[[下垂体後葉ホルモン]]だが、バソプレシンニューロンの[[細胞体]]がある場所は[[下垂体後葉]]ではなく[[視床下部]]で、その[[軸索]]が下垂体後葉まで伸びている。[[血液]]に分泌されるのは[[神経終末]]のある下垂体後葉からである。神経細胞から、シナプスへの[[神経伝達物質]]ではなく、血液中にホルモンなどが分泌されることを[[神経分泌]]という。同じく下垂体後葉から分泌される[[オキシトシン]]も神経分泌である。視床下部でバソプレシンニューロンの細胞体がある場所は、[[室傍核]]や[[視索上核]]などの神経核である。

 ヒトをはじめとする[[哺乳類]]の[[抗利尿ホルモン]]はバソプレシンだが、哺乳類以外の脊椎動物の抗利尿ホルモンは[[バソトシン]]という。同じ9コの[[アミノ酸]]からできている[[オリゴペプチド]]だが、3番目のアミノ酸の種類が違っている。
 
 

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