肺胞 のバックアップ差分(No.1)

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

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 ''肺胞''とは、[[肺]]の中に無数につまっている小さな袋状の空洞。1コのサイズは約0.2mmで、肺全体で数億コもある。肺胞の空洞([[肺胞腔]])はすべて[[気管支]]につながっていて、[[呼吸]]によって肺が膨らんだりしぼんだりするとき、肺胞では、空気が出入りして膨らんだりしぼんだりする。

 肺胞の空洞を[[肺胞腔]]、それを囲んでいる1層の細胞でできた層を[[肺胞上皮]]という。となりあった肺胞どうしは、ほぼぴったりとくっついて並んでいる。肺胞の間のわずかなすきまには、[[毛細血管]]が張り巡らされている。ここで、肺胞内の空気と血管内の[[血液]]の間には薄い肺胞の壁しかなく、酸素や二酸化炭素が交換されやすくなっている([[ガス交換]])。となりあう肺胞の間のしきり壁(2つの肺胞の肺胞上皮やその間にある毛細血管など)の全体を[[肺胞壁]]という。

 [[肺胞上皮]]は2種類の細胞からできていて、薄く延びるように広がった[[I型肺胞上皮細胞]](扁平肺胞細胞)と、丸く盛り上がった[[II型肺胞上皮細胞]](大肺胞細胞)。I型肺胞上皮細胞は主としてガス交換を行い、II型肺胞上皮細胞は、[[肺サーファクタント]]と呼ばれる界面活性剤を肺胞上皮の表面に分泌して、肺胞がうまく広がってふくらみやすくなるように(肺胞の壁がつぶれてくっついたままにならないように)している。


 [[肺]]の中を通っている[[気管支]]は枝分かれを繰り返して、直径1~2mm以下の[[細気管支]]になり、さらに枝分かれを繰り返してだんだん細くなり、最後は行き止まりになる。行き止まりに近づくにつれて、細気管支の壁には袋状の肺胞がびっしりと並ぶ。細気管支の壁に肺胞がついていない最後の部分を[[終末細気管支]]、肺胞がポツポツとつきはじめている部分を[[呼吸細気管支]]、肺胞が壁にびっしりとならんでいるため、もとの細気管支の壁がなくなる部分を[[肺胞管]]、肺胞管の最後の行き止まりの部分を[[肺胞嚢]]と呼ぶ。


 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
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