腓腹筋
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
腓腹筋とは、下腿後面のふくらはぎ(脹ら脛)の表層にあり、その深層にあるヒラメ筋とともに、ふくらはぎのふくらみをつくり、アキレス腱につながる筋。腓腹筋とヒラメ筋は、主に足関節に作用して足を底屈させる筋で、つま先立ちをしたり、飛び上がるとき足の裏で地面を蹴るときに働く。腓腹筋とその深層にあるヒラメ筋とをあわせて下腿三頭筋という。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 腓腹筋 | ひふくきん |
英語 | gastrocnemius (muscle) * | ガストロクニーミアス(・マッスル) | |
ラテン語 | (musculus) gastrocnemius | ムスクルス・ガストロクネミウス |
* | gastrocnemius はラテン語でふくらはぎの意味で、gastro は胃(のようにふくらんだところ)、cnemius は下腿(すね)から |
腓腹筋は、起始が2つに分かれた二頭筋。この2つは内側頭と外側頭と呼ばれ、内側頭の起始は大腿骨の下端の膝の内側にある内側上顆、外側頭の起始は同じ大腿骨の外側にある外側上顆。足首に近い側では、腓腹筋の腱とヒラメ筋の腱が合流して、アキレス腱(踵骨腱)になり、踵骨の踵骨隆起に付く。
腓骨筋は大腿骨と踵骨をつなぐので、間に膝関節と足関節をはさむ二関節筋である。しかしその役割は主として膝関節が伸展しているときに足を底屈するのに働く。膝関節が曲がっているときは、大腿骨が踵骨と近づきすぎるので力を出せない。
足底筋は、腓腹筋と近い関係にある筋で、腓腹筋とヒラメ筋の間にある非常に細い筋。起始が腓腹筋の外側頭と同じく大腿骨の外側上顆で、その腱はアキレス腱の内側に合わさる。
下腿三頭筋とは、下腿の後面のふくらはぎを作っている筋。腓腹筋とヒラメ筋という2つの筋を合わせた呼び方。腓腹筋は起始が2つに分かれた二頭筋なので、ヒラメ筋の分をとあわせると全体として三頭筋となる。停止側では、人体でもっとも太い腱、アキレス腱(踵骨腱)としてひとつの腱に集まって、かかとの踵骨につく。足を底屈させる(足底の向きに屈曲させる)筋でもっとも重要。