奇静脈 の変更点

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

#author("2020-06-07T10:52:44+09:00","","")
 ''奇静脈''とは、[[体幹]](胴体)にある[[静脈]]で、右側の多数の[[肋間動脈]]から流れ込んだ[[血液]]を[[上大静脈]]に流す[[血管]]。奇静脈という名前は、azygos vein (''ア''ザガス・ヴェイン)の訳で、一つしかない、対を成さない静脈の意味(zygo- は、対になっている、結合した、の意味で、それに否定をあらわす a- がついている)。ほんとに1本しかない訳ではなく、左側にある静脈は少し走り方が違い、[[半奇静脈]]、[[副半奇静脈]]という別の名前がついているだけ。

|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|奇静脈|きじょうみゃく|
|>|英語|azygos vein &br; azygous vein |''ア''ザガス・''ヴェ''イン &br; エィ''ザ''イガス・''ヴェ''イン |
|>|ラテン語|vena azygos |ウェーナ・アズィゴス |

 [[体壁]](胴体の[[内臓]]を囲む[[筋]]と[[骨]]でできた壁の部分)に[[血液]]を供給する[[血管]]は、[[胸部]]は[[肋間動脈]]、[[腹部]]は[[腰動脈]]で、これらは[[大動脈]]から、[[椎骨]]の位置に対応するように何対も出ている。これらから戻ってくる血管が[[肋間静脈]]や[[腰静脈]]で、これらは背骨([[脊柱]])の左右を上下方向に走る静脈に合流する。この背骨の左右を縦方向に走る1対の血管は、場所によって名前が違い、右側の上部(肋間静脈が合流する部分)は奇静脈、その下の右の腰静脈が合流する部分は右上行腰静脈、左側では、上部に副半奇静脈、その下に半奇静脈、左上行腰静脈という。これらはすべて右側にある奇静脈へ合流するが、[[上大静脈]]に流れ込む他、左右の[[総腸骨静脈]]や[[下大静脈]]とつながるところもある。

> カテゴリー: [[循環器系>category/循環器系]] | [[心血管系>category/心血管系]] | [[血管>category/血管]] | [[静脈>category/静脈]] | [[胸部>category/胸部]] | [[腹部>category/腹部]]

 
 

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