横隔膜 の変更点

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

#author("2018-08-30T16:18:39+09:00","","")
 ''横隔膜''とは、胸([[胸腔]])とおなか([[腹腔]])の境目を作る[[膜]]状の[[筋肉>筋]]。ぺらぺらの膜ではなくて、ちゃんと厚みのある筋肉の層である。[[骨格筋]]で、自分の意思で収縮させることができる[[随意筋]]である。

|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|横隔膜|おうかくまく|
|>|英語|diaphragm* |''ダ''イアフラム|
|>|ラテン語|diaphragma|ディアフラグマ|

| * |  diaphragm は、[[隔膜]](何かの間を仕切っている膜の一般的な名前)の意味もある |f

|360|c
|&ref(diaphragm1s.png,nolink,横隔膜);|
| ''図:横隔膜(前から見たところ)'' ((Source: [[BodyParts3D>http://lifesciencedb.jp/bp3d/]], © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under [[CC表示 継承2.1 日本 &ref(FrontPage/80x15.png);>http://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.1/jp/]])) &br; 横隔膜(赤&color(#FF3399,#FF3399){  };)は[[肋骨]]、[[胸骨]]、[[脊椎]]などから起こり、[[胸腔]]と[[腹腔]]を隔てている。上向きに盛り上がっている。肋骨、胸骨は半透明で表している |f

 横隔膜のすぐ上側(胸腔の側)には、[[心臓]]や[[肺]]があり、横隔膜のすぐ下側(腹腔の側)には、[[肝臓]]や[[胃]]などがある。

|360|c
|&ref(diaphragm3s.png,nolink,横隔膜);|
| ''図:横隔膜と横隔膜に接する内臓(前から見たところ)'' ((Source: [[BodyParts3D>http://lifesciencedb.jp/bp3d/]], © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under [[CC表示 継承2.1 日本 &ref(FrontPage/80x15.png);>http://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.1/jp/]])) &br; 横隔膜(赤&color(#FF3399,#FF3399){  };)の上には[[肺]](紫&color(#B366FF,#B366FF){  };)と[[心臓]](水色&color(#66FFFF,#66FFFF){  };)が乗っている。横隔膜の下には[[肝臓]](オレンジ&color(#FFB366,#FFB366){  };)、[[胃]](緑&color(#66FF66,#66FF66){  };)、[[脾臓]]などがあって、横隔膜を押し上げている |f

 横隔膜は、胸とおなかを仕切っているので、胸とおなかを貫通する内臓は、横隔膜を貫通している。横隔膜には、このための3つの穴が開いている。3つの穴とは、[[大動脈]]が通る[[大動脈裂孔]]、[[下大静脈]]が通る[[大静脈孔]]、[[食道]]が通る[[食道裂孔]]である。

|360|c
|&ref(diaphragm2s.png,nolink,横隔膜);|
| ''図:横隔膜(下ななめ前から見上げたところ)'' ((Source: [[BodyParts3D>http://lifesciencedb.jp/bp3d/]], © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under [[CC表示 継承2.1 日本 &ref(FrontPage/80x15.png);>http://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.1/jp/]])) &br; 横隔膜(赤&color(#FF3399,#FF3399){  };)を下から見ると、中央寄りに穴が2つ、中央の後壁に切れ目が1つある。穴は前が[[大静脈孔]]、後ろが[[食道裂孔]]、後壁にある切れ目は[[大動脈裂孔]]である |f

** 横隔膜の機能 [#k6535c19]
 横隔膜が収縮すると、横隔膜は、腹腔の側(下側)に押し下げられるので、胸腔を広げ、腹腔を狭めるはたらきがある。
- 呼吸で息を吸うときには、[[肋骨]]の間にある[[外肋間筋]]とともに横隔膜が収縮することで、肺が外側に引っ張られるように広げられて、肺が膨む。特に腹式呼吸では横隔膜が大きな役割を果たす。
- 排便のときにおなかに力を入れるときにも収縮し、おなかの壁の筋肉([[腹筋]])とともに、便を腸から[[肛門]]へと押し出すのにも働く。
- 横隔膜がけいれん的に収縮するのが''しゃっくり''である。

** 横隔膜の神経支配 [#w50e86b8]
 横隔膜の運動を支配している神経は、[[横隔神経]]である。横隔神経は、首の部分の[[脊髄]]([[頚髄]])から出る[[頚神経]]のうち、主に第3~4頚神経が集まって作る神経で、首の左右から、左右の肺の間([[縦隔]])を通って、横隔膜にたどり着く。

** 食肉の部位としては [#w09dcaca]
 ハラミ、サガリと呼ばれる。

> カテゴリー: [[運動器系>category/運動器系]] | [[筋系>category/筋系]] | [[筋>category/筋]] | [[胸部>category/胸部]] | [[腹部>category/腹部]] | [[呼吸器系>category/呼吸器系]]
 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
 どのページにでも自由にリンクしてください。でも、このサイトの文を他の場所に転載(コピー・ペースト)しないでください(コピーした内容に間違いがあったとき、その間違いはその後このサイト上では誰かに修正されるかもしれませんが、あなたがコピーした先では間違ったまま残ってしまいます)。