子宮
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
子宮とは、女性生殖器系の器官のひとつで、体幹(胴体)の下部にある骨盤の内部にある骨盤内臓。袋状の器官で、内部に空洞(子宮腔)があり、壁は厚い筋肉(平滑筋)の層でできている。妊娠のときに、胎児の入れ物になる器官。子宮の下部は腟(=膣)の上部と続いている。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 子宮 | しきゅう |
英語・ラテン語 | uterus | (英語読み)ユーテラス (ラテン語読み)ウテルス | |
英語 | 形容 | uterine | ユーテライン |
子宮の位置は、膀胱よりも後ろ側(背側)で、直腸よりも前側(腹側)。内側にはせまい空間(子宮腔)があり、まわりのかべは、子宮腔に面した内側に粘膜があり、その外側に厚い筋層がある。子宮の粘膜のことを、特別に子宮内膜と呼ぶ。
子宮の下部では、子宮腔が腟(膣)とつながる。腟の近くで子宮腔が細くなって管状になっている部分を、子宮頚(子宮頚部)という。子宮頚部以外の残りの子宮の部分を子宮体部という。子宮の上部の壁(子宮腔の上の壁)を子宮底という。子宮腔は上部の左右では、左右の卵管とつながる。子宮頚部で子宮腔が細くなった箇所を子宮頚管という。子宮頚管の子宮腔につながる端を内子宮口、腟の側の端を外子宮口という。
女性の月経は、ホルモンの影響で子宮内膜が定期的にはがれ落ちる現象である。子宮内膜は受精卵が着床するときに、最高の状態になるように、月に一度、新しく作り直される。子宮内膜に受精卵が着床し、胎児が育ち始めると、それにあわせて壁の筋層がどんどんのびて、子宮も大きくなっていく。