海綿体 の変更点

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

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 ''海綿体''とは、[[血管]]が網の目のようにつながって、全体としてスポンジ状になった[[組織]]でできた構造のこと。この網の目状の血管に血液が充満すると、それにより全体が膨張し、硬くなる。これは[[勃起]]と呼ばれる。海綿体を作っている組織を、''海綿組織''または[[勃起組織]]と呼ぶ。男性の[[陰茎]]、女性の[[陰核]]などにある。

|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|海綿体|かいめんたい|
|>|英語|cavernous body|''カ''ヴァナス・''バ''ディ|
|>|ラテン語・英語|corpus cavernosum|(ラテン語読み)''コ''ルプス・カウェルノースム &br; (英語読み)コーパス・カヴァーナサム|


| - 海綿とは、海に住む原始的な動物のことで、スポンジ状の体をもっている。スポンジは日本語では海綿と呼ばれ、海の海綿からつくられるものだった |f



 海綿体の中にある血管は、細い静脈に相当する血管で、[[海綿体静脈洞]](または海綿体洞あるいは洞)という。海綿体静脈洞の間の細い壁の部分を[[小柱]]という。海綿体静脈洞は、[[静脈]]とはいっても、細い[[動脈]]から、主として[[毛細血管]]を介さずに直接つながっている静脈である。これを[[動静脈吻合]]という。細い動脈は、普段は細くて血液があまり流れ込んでこないが、この動脈が太くなるとき、海綿体静脈洞への血液の流入量が急激に増加し、[[血液]]によって組織全体が膨らむ。

 海綿体の動脈の太さの調節は、[[自律神経]]によって行われていて、動脈の壁にある[[平滑筋]]は、普段は[[交感神経]]のはたらきでずっと収縮しているが、勃起時には[[副交感神経]]の刺激によって収縮がとまり、動脈が太くなる。

** 海綿体の例 [#nfcd978c]
: [[陰茎海綿体]]|  男性の[[陰茎]]に1対ある棒状の海綿体。[[白膜]]という、[[コラーゲン線維]]に富んだ[[密性結合組織]]の層に包まれているが、左右にくっついてならんでいて、その間は一部が融合している。陰茎の[[勃起]]を引き起こす主要な役割を持つ海綿体。
: [[尿道海綿体]]|  男性の陰茎で、陰茎海綿体の下側にあり、[[尿道]]を包むように存在する海綿体。[[亀頭]]もつくる。
: [[陰核海綿体]]|  女性の[[陰核]]にある海綿体。男性の陰茎海綿体と[[相同器官]]だが、サイズはずっと小さく痕跡的。
: [[陰核海綿体]]|  女性の[[陰核]]にある海綿体。男性の陰茎海綿体と[[相同]]だが、サイズはずっと小さく痕跡的。



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