『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

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 とは、細胞や細胞のかたまり(組織器官など)からその外側に、細胞がつくりだしたり溜め込んだりした物質を放出するようになっている構造のこと。このことをその物質を分泌する、という。

言語表記発音、読み方
日本語医学せん
分泌腺*ぶんぴつせん、ぶんぴせん
英語glandンド
*分泌する構造のことを腺と呼ぶので、分泌腺では意味がダブっているともいえる

 細胞の外に分泌したものがその場で固まって、その場所の構成成分(細胞外基質など)になる場合には、腺とはいわない。分泌したものが水溶液だったり、水やそのほかのものに溶けて流れていく場合にいう。

 腺はたいていは上皮または上皮性の細胞からできている。腺を作っている上皮を、腺上皮と呼ぶ。

大きな腺と小さな腺

 大きなものでは、たとえば膵臓。長さ15cm以上もあって、膵液をつくる。膵液は膵臓の細胞が作り出し、その周りに放出されると、長い導管である膵管を通って十二指腸に流れ込む。

 小さなものでは、の壁の内側の上皮には一定の間隔で、腸の内側に粘液を出す細胞杯細胞がぽつぽつと並んでいるが、これは1個の細胞で1つの腺を作っていると考えることができる。導管はなく、細胞が直接腸の内側に面しているだけのシンプルな腺。

外分泌腺と内分泌腺

 分泌したものがそのあとどうなるかによって2種類に分けられる。その腺から専用の管(=導管)を通って、体の外側や体の外側とつながっている場所に流れ出すことを外分泌という。そういう腺を外分泌腺という。消化液を分泌する腺がこれ。

 腺から分泌したものが管の中に流れ込んだり、体の外側に出たりしないで、細胞のいる場所のすき間に溶け出していったり、さらには血液中に流れ出して、血管を通って全身に流れていく。こういう方式を内分泌、そういう腺を内分泌腺という。ホルモンサイトカイン成長因子などといった物質はこの方式で体の中に放出される。

カテゴリー: | 分泌 | ホルモン

 
 

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