胞体
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
胞体とは、細胞質のこと。解剖学よりも病理学や臨床検査の分野で使う用語。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 胞体 | ほうたい |
胞体は細胞体と似ている言葉だが、細胞体とは意味がちょっと違っている。細胞体は、神経細胞など、細胞突起をもつ細胞で使う言葉で、核と細胞質があって膨らんでいる「細胞の本体」にあたる部分を指す言葉。一方、胞体は、細胞突起を持たないふつうの細胞についても、細胞の種類にかかわらず使い、また、細胞全体を指すわけではなく、核以外の部分、つまり細胞質だけを指す。
似ている言葉の小胞体は、胞体とは言葉の由来が別で直接関係ない。小胞体は「小さな胞体」という意味ではなく「小胞からできている構造」という意味。
関連する用語 †
- 合胞体
- 一つの細胞に核がたくさんある細胞。多数の細胞の細胞質(胞体)が融合している状態という意味(実際のでき方は、細胞が融合してできるものと、1つの細胞の核だけが分裂して細胞質が分裂しないことでできるものがある)。
- 胞体突起
- 細胞質の一部が細胞外へと延びてできている突起の部分のこと。この場合、細胞突起とほぼ同じ意味。
- 核胞体比(核/胞体比)
- 核と細胞質の割合。標本を観察したときの核と細胞質の面積比を指す場合や、その面積比から推定される核と細胞質との体積比を指す場合などがある。