胸部

『1年生の解剖学辞典』～解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説～

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　胸部とは、体の胴体（＝体幹）の上半分のこと。胸部の上には頚部（くび）がつながり、下には腹部がある。胸部には心臓や肺などの内臓がある。ただし、体の表面の区分けとしては体幹の後面は背部（背中）というので、胸部は前面と側面をさす。

言語		表記	発音、読み方
日本語	医学	胸部	きょうぶ
英語		thorax	ソラックス
英語		chest	チェスト
ラテン語		pectus	ペクトゥス

　胸部と腹部の境界には横隔膜があり、これで胸部の内臓と腹部の内臓の場所が区別される。　胸部には胸の内臓（胸部内臓）が入っている空洞（＝胸腔）がある。背骨（脊柱）の他に肋骨と胸骨があり、これらが胸郭をつくる。胸郭は鳥かごのような枠組みで、内部の内臓を守る。

　診療科としての「胸部～」は、胸部の内臓（心臓と大血管などの循環器、肺などの呼吸器、ほか）を指す。女性の乳房のことを胸部、胸などと呼ぶこともある。

体表の部位 †

　体の表面を区分けするときの胸部とは、体幹の前面と側面のことで上に胸部、下に腹部がある。体幹の後面は背部と呼ぶ。

言語		表記	発音、読み方
日本語	医学	胸部	きょうぶ
日本語	医学	前外側胸部	ぜんがいそくきょうぶ
英語		anterior and lateral thoracic region	アンテリア・アンド・ラテラル・ソラシック・リージョン
ラテン語		regiones thoracicae anteriores et laterales	レギオネス・ソラキカエ・アンテリオレス・エト・ラテラレス

図：胸部の位置 *1
胸部は、体幹上部の前面から側面のこと（図の水色（　　）の部分）。胸部の上には頚部（頸部）があり、その境界は鎖骨の高さ。鎖骨のある皮膚の場所を鎖骨部と呼ぶときは、鎖骨部も胸部に含めることもある（ピンク色　　）。側方は、背部（の[[肩甲部、肩甲下部など）に接する。肩を覆う三角筋に覆われた部分（＝三角筋部）は胸部に含まない。下は剣状突起の高さで腹部と接する

胸部の区分け †

鎖骨部		胸骨部	鎖骨部
鎖骨下部			鎖骨下部
腋窩部	乳房部		乳房部	腋窩部
側胸部				側胸部
	乳房下部		乳房下部

図：胸部の区分 *2
胸部をいくつかの場所に分けるとき、胸骨のある部分（黄色　　）を胸骨部（または胸骨前部）、その左右にある大胸筋などで覆われた広い部分（水色　　）を胸筋部（または狭い意味での胸部）という。胸筋部は、乳房のある乳房部、その下の乳房下部、胸部の側面にあたる側胸部（外側胸筋部）の3つに分けることが多い。ピンク色（　　）の鎖骨部という場所を考えるときはここも胸部に加えることもある。その下に鎖骨下部（黄緑色　　）がある。深緑色　　の腋窩部は、上肢を上げると見える腋窩まで含む

カテゴリー: 体の部位 | 胸部

*1 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示継承2.1 日本

*2 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示継承2.1 日本

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