椎骨
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
関連する内容は、脊柱の項目にもあります
椎骨とは、脊柱(=脊椎、背骨のこと)をつくっている1個1個の小さな骨のこと。椎骨が積み重なって全体として背骨ができている。体をねじったり、反らせたりできるのは、脊柱が1本の骨ではなく、多数の椎骨がつながってできているから。椎骨どうしの間には、椎間円板(椎間板)という軟骨などでできた厚いクッションがある。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 椎骨 | ついこつ |
英語・ラテン語 | 単数 | vertebra | (英語読み)ヴァーテブラ (ラテン語読み)ウェルテブラ |
複数 | vertebrae* | (英語読み)ヴァーテブライ、ヴァーテブリ (ラテン語読み)ウェルテブラエ |
* | 複数形にすると、椎骨がつながった脊柱全体を指すこともある |
図:脊柱の5つのパート *1 脊柱をつくる椎骨と、椎骨の間の椎間円板に色がつけられている。椎間円板は黄色 。椎骨は上から順に、頚椎(紫 )、胸椎(オレンジ )、腰椎(赤 )、仙骨(水色 )、尾骨(緑色 )が5色に表されている |
ヒトの椎骨の数は、普通は26~30個ぐらい(尾骨を入れないと25個)。上から順に、
- 首の部分(頚部)では、7個の頚椎
- 胸の部分(胸部)は12個の胸椎
- その下の腰のあたりには、5個の腰椎
- 腰椎の下には、仙骨という大型の骨があり、これが寛骨と結合して骨盤をつくっている。仙骨は、もともとは5個の仙椎だったものが融合して1つの骨になったと考えられている
- 仙骨の下にごく小さい尾骨がある。生まれたときは3~5個ぐらい(個人差あり)のごく小さい尾椎だったものが、年齢と共に融合して1つの尾骨になる がたてに連なっている。
ヒト以外の椎骨の数 †
- 頚椎の数は、哺乳類ではみな7個で一定。例外として、ナマケモノでは6個や9個の種類がいる、マナティは6個。ただし、哺乳類以外の動物では頚椎の数はばらばら。
- 頚椎以外の椎骨の数は、哺乳類でも種類によって違う。
- 尾椎(尾の骨)は、動物の尾の長さや形によって違う。イヌやネコでは尾椎は20個ぐらい。類人猿(ゴリラ、チンパンジーなど)ではヒトと同じく尾が退化して尾椎は尾骨になっている
椎骨の基本構造 †
*1 Source: BodyParts3D, © ライフサイエンス統合データベースセンター licensed under CC表示 継承2.1 日本