電子顕微鏡
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
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電子顕微鏡とは、顕微鏡の一種で、ふつうの顕微鏡(光学顕微鏡)では観察したいものに光をあてるところを、光ではなく電子線をあてて拡大する顕微鏡。
電子線は光のように目では見えないので、専用のフィルムやCCDカメラなどで観察する。
ふつうの光学顕微鏡に比べて高倍率で観察できる。光学顕微鏡では、観察倍率は高くても数百倍から千倍程度だが、電子顕微鏡(透過型)では数万倍も可能。例えば直径10 μmの細胞を400倍に拡大すると4 mmで、細胞が見分けられる程度だが、2万倍では20 cmになる。電子顕微鏡(透過型)では細胞小器官や生体内の高分子まで見える。
透過型電子顕微鏡と走査型電子顕微鏡の2つの方式がよく使われる。
- 透過型電子顕微鏡
- 非常に薄く切った標本(超薄切片)に、電子線をあて、通り抜けてきた電子線を使って拡大像をつくる。
- 走査型電子顕微鏡
- かたまりのままの標本の表面にごく細い電子線をあてる。電子線をあてる位置を標本の端から端まで少しづつずらしながら(=スキャン、走査)反射してきた電子を使って拡大像をつくる。
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