漿膜 の変更点

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 ''漿膜''とは、一般には、[[漿液]]を[[分泌]]する[[細胞]]が並んでできている[[膜]]のこと。ただし、実際には下に挙げたような、[[胸膜]]や[[腹膜]]のことだけを指す。表面には[[中皮]]という平べったい細胞層があり、薄い[[結合組織]]で裏打ちされている。

|>|~言語|~表記|~発音、読み方|
|日本語|医学|漿膜* |しょうまく|
|>|英語|serous membrane|''スィ''ーラス・''メ''ンブレン|
|~|~|serous tunic|''スィ''ーラス・''テュ''ーニック|
|>|ラテン語|serosa|セローサ|
|~|~|tunica serosa|テュニカ・セローサ|
|~|~|membrana serosa|メンブラナ・セローサ|


| * &size(24){漿}; の上の部分 &size(24){將}; は、 &size(24){将}; の旧字なので、自分で書くときには、 &size(24){将}; の下に &size(24){水}; を書けばよい|f



 [[胸腔]]や[[腹腔]]にある[[器官]]のうち、[[肺]]、[[肝臓]]、[[小腸]]…など大多数の器官の外側の表面はつるつるしていて、ぬれた感じになっている。これらの表面を覆っているのが漿膜。わずかな[[漿液]]性の[[分泌物]]を器官の外側に向けて分泌している。これにより器官どうしの摩擦をなくして、せまい空間にうまくおさまるようにしている。

 これらの漿膜は、[[胸腔]]では[[胸膜]]、[[腹腔]]では[[腹膜]]という名前で呼ばれていて、[[胸膜腔]]や[[腹膜腔]](まとめて[[体腔]]という)のまわりを囲んでいる。

 つまり、器官の表面に漿膜があるのは、胸膜腔や腹膜腔などの体腔に面している箇所だけ。

 漿膜は、(1) 平べったい([[扁平]]な)細胞が1層に([[単層]])びっしり並んでできている層と(2) その下にある、わずかな[[結合組織]]の層をあわせたもののこと。(1) の細胞層は、上皮の一種と考えられていて、その細胞の並び方は[[単層扁平上皮]]である。ただし、体腔を囲む上皮を特に、[[中皮]]と呼ぶので、胸膜や腹膜の上皮は中皮、中皮を作っている細胞は[[中皮細胞]]である。

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