スフィンゴミエリン
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
スフィンゴミエリンとは、脂質に属する物質のグループで、細胞膜などの脂質二重膜を構成している物質。名前の由来は、スフィンゴ脂質(スフィンゴリピッド)の一種で、有髄神経線維のミエリン鞘(髄鞘)をつくっているミエリンの主成分であることから。リン酸を含んでいるので、リン脂質の一種でもある。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | スフィンゴミエリン | スフィンゴミエリン |
英語 | sphingomyelin * | スフィンゴマイエリン |
* | 脂質のグループ名と考えて単数形で使ったり、何種類かの物質をまとめて呼ぶ言い方なので、複数形で使ったり、いろいろ |
スフィンゴミエリンは、ある特定の構造を持っている物質をまとめて呼ぶ言い方で、その共通点は、セラミドにリン酸が結合し、その先に「別の何か」が結合した形をした物質であること。「別の何か」としては、コリンやエタノールアミンなどがある。リン酸が含まれるので、リン脂質に分類される。また、セラミドとは、スフィンゴシンに脂肪酸が結合したものである。スフィンゴシンが含まれる脂質のことをスフィンゴ脂質というので、スフィンゴ脂質でもある。また、スフィンゴシンとリン酸が両方入っている分子をスフィンゴリン脂質というので、それにも該当する。ちなみに、スフィンゴリン脂質には、スフィンゴミエリンだけが含まれる。
スフィンゴミエリンには、リン酸と結合しているのがコリンかエタノールアミンのどちらか、スフィンゴシンと結合している脂肪酸がどういう脂肪酸か、などの違いによって区別できる、数多くの種類の分子が含まれる。