刺激伝導系
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
刺激伝導系とは、または、興奮伝導系とは、心臓のなかで、自動的に収縮を繰り返す働きのある心筋細胞(=特殊心筋線維)が集まってできているいくつかの場所とそのつながり全体のこと。心臓の拍動はここからはじまり、心臓の拍動のペースが決まり、心臓全体に収縮が伝わっていく。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 刺激伝導系 | しげきでんどうけい |
興奮伝導系 | こうふんでんどうけい | ||
英語 | impulse conducting sysytem | インパルス・コンダクティング・スィステム |
心臓には、ふつうの心筋線維(心筋細胞)と違って、自分で一定間隔で収縮を始めることができる特殊心筋線維(=特殊心筋細胞)があり、それは心臓内で何箇所かに集まっている。洞房結節、房室結節、ヒス束、プルキンエ線維などがそれ。これらをまとめて、刺激伝導系という。
刺激伝導系の部位 †
- 洞房結節
- 上大静脈と右心房の境界付近にある。ここにある特殊心筋線維がもっとも拍動のペースが速いため、心臓の拍動の速さはここの活動によって決まる。心臓のペースメーカーの働きをしている。
- 房室結節
- 右心房と左心房の境界付近にあり、左心房の拍動のもとになる。
- ヒス束
- 2心房の間から2心室の間まで、帯状に長く連なる特殊心筋線維の束。心房の拍動を心室に伝える働きをしている
- プルキンエ線維
- ヒス束につながり、左右の心室に向かってたくさんにわかれながら連なる特殊心筋線維の束。