右心房
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
右心房とは、心臓の4つある部屋のひとつで、2つある心房のうちのひとつ。全身から戻ってきた血液を上大静脈、下大静脈などから受けとり、それを右心室に流し込むはたらきをもつ。右心室は肺に血液をおくるポンプの役割があるので、右心房はその予備ポンプ的な位置付け。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 右心房 | うしんぼう |
英語 | right atrium (of heart) | ライト・エイトゥリアム(・オブ・ハート) | |
ラテン語 | atrium cordis dextrum | アトゥリウム・コルディス・デクストゥルム |
心臓の他の部屋との関係 †
右心房は、心臓の4つの部屋の中では体の上方、右側にある。別の言い方では、心臓の中に2つある心房は心臓の上部に並んでいるが、右心房はそのうちの右側にある。右心房に接する部屋は左心房と右心室の2つある。右心房と右心室との間では内部がつながっていて、その間には三尖弁があり、血液が逆流してこないようになっている。一方、右心房と左心房の間は、薄い壁(心房中隔)で隔てられているが、ここには胎児のときには卵円孔という穴があってつながっている。卵円孔は生後次第にふさがり、卵円窩というくぼみが残る。
その他の特徴 †
- 右心房には、酸素を使い果たした静脈血が全身から流れ込む。
- 右心房には、上大静脈、下大静脈の他にも血管(細い静脈)が直接つながっている。そのうち太いのは、冠状静脈洞で心臓の壁からの血液が流れてくる。右心房の壁には、冠状静脈洞の他にも心臓に血液を供給して戻ってくるごく細い静脈がたくさんつながっている。
- 右心房と上大静脈の付け根のあたりに、心臓の中で最も最初に拍動を起こす洞房結節がある。