前頭断
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
前頭断とは、前額断ともいい、人体を前側(腹側)と後ろ側(背側)の2つの部分に分けるような断面の向き、つまりヘッドホンやカチューシャをつけたような向きの断面。冠状断も同じ意味。前頭断(前額断、冠状断)で得られる断面を、前頭面(=前額面、冠状面)という。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 前頭断 | ぜんとうだん |
前額断 | ぜんがくだん | ||
冠状断 | かんじょうだん | ||
英語 | frontal section * | フロンタル・セクション | |
coronal section ** | コロナル・セクション |
前頭断は、体を縦方向に2つに分ける「縦断」の一種。前頭断が体を前後の2つの部分に分けるのに対し、体を左右の2つの部分に分けるような切り方は矢状断。つまり、前頭断は矢状断から90度回転した向きである。
断面を取る位置を変えると、少しずつずれた前頭面を無数につくることができる。前頭断は、脳(特に大脳や間脳)を断面で考えるときに特によく使う。
「前頭」、「前額」とは額(ひたい)のことで、額には前頭骨がある。また、冠状断の冠状とは coronal の訳で、os coronale は前頭骨のラテン語の別名。前頭骨には、coronal suture 冠状縫合というのもある。つまり、「前頭断」、「前額断」、「冠状断」は、額あるいは前頭骨、(前頭骨の)冠状縫合の向きの断面の意味。冠状断といっても、かんむりの向きと考えてしまうと誤解するので注意 |
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