皮膚感覚

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 皮膚感覚とは、または皮膚知覚とは、体の表面(体表)を覆っている皮膚で感じる感覚をまとめて呼ぶ言葉。皮膚感覚は、触覚痛覚、熱い冷たいの温度覚など、いくつかの種類があり、感覚の種類ごとに別の受容器によって感知され、別の神経によって脊髄中枢神経に伝えられる。

言語表記発音、読み方
日本語医学皮膚感覚 *ひふかんかく
皮膚知覚 *ひふちかく
英語skin senseン・ンス
英語cutaneous senseキューテイニアス・ンス
* 感覚(感覚器で得られた情報が大脳に伝わって感じたそのもの)と知覚(大脳でその情報を処理して記憶や経験を加えて認識した、その情報の意味)を使い分けることもあるが、皮膚知覚というときの「知覚」は、単に感覚と同じ意味で使っている

皮膚感覚の分類

  • 皮膚感覚は、視覚、聴覚、味覚などとともに外受容感覚に分類される(外受容感覚の反対語:固有感覚)。
  • 皮膚感覚は、運動器などの深部感覚とともに、体性感覚に分類される(体性感覚の反対語:特殊感覚)。
  • 皮膚感覚は、運動器などの深部感覚に対して、表在感覚とも呼ばれる。
  • 皮膚感覚は、触覚(と圧覚)、温度覚(温覚と冷覚)、痛覚などに分けられる。
  • 皮膚感覚は、識別性感覚(判別性感覚)と原始性感覚に分けられる。識別性感覚と原始性感覚とでは、大脳に届くまでの神経のつながり方が違っていて、識別性感覚は、皮膚の場所を細かく区別できるが、感覚神経が切断されてから治るまで長期間かかる。原始性感覚は、皮膚の細かい場所の情報が得られないが、切断後、短時間で治る。識別性感覚はおもに触覚(と圧覚)など、原始性感覚は、おもに温度覚(温覚と冷覚)、痛覚など。

皮膚感覚の感覚器

  • マイスナー小体(触覚小体)
  • パチニ小体(ファーター・パチニ小体、層板小体)
  • メルケル円板(触覚円板)

カテゴリー: 外皮系 | 器官 | 皮膚 | 感覚器

 
 

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