神経
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
神経線維束でこの項目を参照しています
神経とは、体の中で神経線維が束になって走っているひも状の構造のこと。体中を走っており、さまざまな情報を伝える働きをしている。末梢神経系に含める。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 神経 | しんけい |
英語 | nerve | ナーヴ | |
ラテン語 | 単数 | nervus | ネルウス |
複数 | nervi | ネルウィ |
神経は、神経細胞から伸びる神経線維が無数に集まって束になり、肉眼で見えるほどの太さになっているので、この意味で神経線維束ともいう。ひも状の神経の内部は、神経線維やそれをとりまく鞘(さや)をつくっているシュワン細胞などだけが入っており、神経細胞の本体(神経細胞体)はない。神経細胞体があるのは、脳や脊髄などの中枢神経系に属する器官や、神経の途中にふくらんだ箇所(=神経節)だけ。
太いものから細いものまでいろいろあるが、太いものはどの人でも走り方(どこから出てどこに行くのか、どこを通るのか、など)が一定なので、その走り方はよく研究されていて、みな名前がついている。ちなみに、体の中でもっとも太い神経は、お尻(殿部)から太もも(大腿)の後面を下に向かって進む坐骨神経。坐骨神経の断面は平らな楕円形だが、太いほうの径は2~4 cm 程度もある。