軸索 のバックアップ(No.1)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
軸索(じくさく)とは、神経細胞(ニューロン)の細胞の一部が、ひも状に細長く伸びた部分のことで、ニューロンの働きである「情報を伝える」機能に特化した部分のこと。解剖学では、軸索と神経線維をほぼ同じ意味で使う。
軸索では、そのニューロンが情報を伝えるときに必要な「ニューロンが興奮する」と呼ばれる状態がおこる。これはイオンチャネルの作用によって細胞膜が普段と反対の電位を帯びることで、活動電位という。活動電位は、イオンチャネルの作用で軸索の末端に向かって次々に伝わるようになっていて、これを興奮(インパルス)の伝導という。
軸索が細胞体とつながる付け根は、太さが急に細くなる部分があり、軸索小丘という。軸索の端は次のニューロンや筋などにつながるシナプスをつくる神経終末という。
解剖学では、ニューロンの細長く伸びているところを神経線維と呼ぶが、神経線維と軸索は同じものである。ニューロンにある細長く伸びたところには、軸索以外に樹状突起もあるが、樹状突起の性質は細胞体の一部がのびただけで、軸索(神経線維)とは違っている。
ふつうのニューロンでは、細胞体から出る軸索は1本だけで、細胞体でおこった起こった興奮は軸索を通じて、次のニューロンへと伝わる。例外的に、末梢神経系の感覚性ニューロンでは、細胞体の両側に軸索がつながり、一方の端が目や皮膚などの感覚器、もう一方の端が脳などの中枢神経とつながるものもある。