感覚器
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
感覚器とは、または感覚受容器とは、体の外側の世界や自分の体が持っているさまざまな情報を感知し、その情報やその変化をとらえることができる器官。情報といっても光、音、におい、味をはじめとして、さまざまな種類があり、それぞれが対応する違う種類の感覚器(例、眼、耳、鼻、舌など)によってとらえられる。感知できる情報ごとに感覚器を分類し、視覚器、聴覚器、嗅覚器、味覚器などとよぶこともある。ヒトを含む神経系の発達した動物では、各感覚器によって得られた情報は神経系に伝えられる。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 感覚器 | かんかくき |
感覚受容器 | かんかくじゅようき | ||
英語 | sense organ(s) | センス・オーガン(ズ) | |
sensory receptor(s) | センサリー・リセプター(ズ) |
感覚器の実例 †
※ 感覚器という言葉を、特殊感覚に限定して使うことがある。特殊感覚とは、体の中で特定の場所にある器官(構造)だけで感知することができる感覚のこと。眼-視覚、耳-聴覚などはこれに相当する。これに対して、皮膚全体が感覚をとらえることができる皮膚感覚(触角、痛覚など)、どの筋や関節などでも得られる固有感覚などは特殊感覚ではないため、これらの感覚受容器を、感覚器の中に含めないことがある ※ 消化器では、消化器に属する器官を全部あわせて消化器系(digestive system)という器官系(organ system)として扱う。これは胃、小腸、大腸などの各器官が協力してはたらき、ひとつの機能をはたしているため、全体としてシステム(「系」)を構成していると考えることができるからである。これに対して、感覚器では、眼や耳などはみなそれぞれ別々に神経系と接続され、お互いがばらばらに機能しているので、すべての感覚器をあわせても、感覚器「系」とはいわないことがある(がいうこともあるかもしれない) |