尾骨神経
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
尾骨神経とは、脊髄神経のひとつで、脊髄のもっとも下方からでる1対の神経。尾のある四足動物では、尾の筋の運動と尾の皮膚の知覚を支配する重要な神経だが、ヒトには尾がないので尾骨神経は細く、その役割は痕跡的で、尾骨付近の狭い範囲の皮膚知覚をつかさどるだけ。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 尾骨神経 | びこつしんけい |
英語 | coccygeal nerve | コクスィジアル・ナーヴ | |
ラテン語 | nervus coccygeus | ネルウス・コクキゲウス | |
略語 | Co * | スィー・オウ |
* | Coは coccygeal nerve の頭文字から。C0(スィー・ゼロ)ではない |
脊柱管を出るときは尾骨の第1尾椎と第2尾椎の間から出る。普通の脊髄神経と同じく、前枝と後枝に分かれる。後枝はそのまま付近の皮膚に分布し、前枝は第4、第5仙骨神経の前枝とあわさって尾骨神経叢を作る。尾骨神経叢から出る神経は肛門尾骨神経(または肛尾神経)と呼ばれ、やはり尾骨付近の皮膚に分布する。