毛細血管
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
毛細血管とは、血管のなかでもっとも細い部分で、全身の組織のどこでも、網の目のように張り巡らされている。毛細血管の太さは一番細いところで直径数μmで、もちろん肉眼では見えず、赤血球1コの大きさと大差ないレベル。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 毛細血管 | もうさいけっかん |
英語 | capillary * | キャピラリー | |
capillary blood vessel | キャピラリー・ブラッド・ヴェッセル |
* | capillary だけのもともとも意味は毛細管(毛管)だが、医学・解剖学では capillary だけでも毛細血管の意味で通じる |
毛細血管は、心臓から始まった動脈が枝分かれを繰り返して次第に細くなっていった先に続いている。毛細血管の先は、再び合流していき、静脈になる。
毛細血管の壁は、平べったい内皮細胞が1層だけでできている(単層扁平上皮の一種である)。1個の内皮細胞は、目玉焼きのような形をしている。黄身のところだけふくらんでいるがここが核のある場所。目玉焼きで直径3, 4 cm ぐらいの筒をつくり、それを長くつなげたようなのが毛細血管。
内皮細胞だけでできた毛細血管の壁は、液体やそれに溶けている物質が出入りしやすくなっているので、血液の液体成分(血漿)と周囲の組織の細胞外にある組織液は混じる。このとき、血液中に溶けている酸素]や栄養分が組織中に出て、組織液の二酸化炭素や老廃物が毛細血管に取り込まれる。