血漿

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

 血漿とは、血液中の液体成分のこと。血液から血球と呼ばれる細胞赤血球白血球など)だけをすべて取り除いた残りのもの。

言語表記発音、読み方
日本語医学血漿*けっしょう
英語blood plasmaッド・プズマ
plasmaズマ
* 血漿の漿は、漿液から来ていて、「血液の漿液」の意味

 血漿には、たくさんの蛋白質類、塩類などが溶けている。血清とは成分が異なっている(下の「血漿と血清」の節を参照)。

目次
 

血漿とリンパ液、組織液

 血液が体中の毛細血管に運ばれると、毛細血管の壁からは、血漿だけが血管の外側ににじみ出していって組織に栄養が供給されるが、血球は血管内に残る。にじみ出した血漿は、組織中の細胞外を満たす組織液になる。つまり、組織液の成分は血漿と似ている。

 組織液は、再び血管やリンパ管に入っていくので、リンパ管の中の液体であるリンパ液の成分も、血漿と似ている。

血清と血漿

 血漿が、体内を流れている血液で、細胞以外の液体の部分を指すのに対し、血清は、血液を体外に放置したときに、血球などが凝固する部分と液体に分かれたときの液体の部分を指す。

 血液の凝固は、血漿に含まれている一部の蛋白質(フィブリン)が結合しあい、沈殿することで起こる。つまり、血清と血漿は血球が含まれていないことは同じだが、血清には、血漿には含まれているフィブリノーゲンやそれと一緒に凝固する成分が含まれていない。

カテゴリー: 循環器系 | 血液 | 結合組織 | 液体

 
 

<ご注意> 『1年生の解剖学辞典』は、解剖学を学んでいる人によって書かれているはずですが、間違いがあるかもしれません。内容はかならず教科書その他で確認してください。また間違いをみつけたら「編集」から直していただくか、「ノート」にコメントを残していただけるとうれしいです。
 どのページにでも自由にリンクしてください。でも、このサイトの文を他の場所に転載(コピー・ペースト)しないでください(コピーした内容に間違いがあったとき、その間違いはその後このサイト上では誰かに修正されるかもしれませんが、あなたがコピーした先では間違ったまま残ってしまいます)。