球関節
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
関連する内容が、多軸関節。肩関節。
球関節とは、関節の形による分類のひとつで、関節をつくる一方の骨の端の関節面の形が半球状に盛り上がり、もう一方はそれがぴったりはまるように丸くくぼんでいる関節。この関節の運動の方向には、関節の形からの制限がなく、360度自由な方向に動かせる(回すこともできる)。球関節は、運動の方向の軸が無数にある多軸関節である。多軸関節は、運動の種類による関節の分類。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 球関節* | きゅうかんせつ |
英語 | ball and socket joint | ボール・アンド・ソケット・ジョイント | |
spheroid joint | スフェロイド・ジョイント | ||
enarthrosis** | エナースロースィス | ||
ラテン語 | articulatio spheroidea | アルティクラティオ・スフェロイデア |
* | 球関節の他に、一般用の辞書には、球状関節、球窩関節、杵臼(しょきゅう)関節などの言い方が掲載されていることがある |
** | en + arthrosis: en...「~を囲む、中に入れる」、arthrosis... 「関節」 |
半球状に盛り上がっている側の関節面・凸状の骨端を関節頭、くぼんでいる方の関節面・凹状の関節面を関節窩という。
球関節は、肩関節と股関節が該当するが、このうち、股関節は関節窩がより深いくぼみになっている臼状関節ともいう。このため、股関節のほうが関節の動く範囲が狭い。肩関節の関節窩は浅いので、より広い角度の運動ができるが、脱臼もしやすい。