甲状腺濾胞
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
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甲状腺濾胞とは、または 甲状腺小胞とは、甲状腺の内部に無数にある濾胞(=細胞が集まってできた小型で球形の袋)のこと。甲状腺濾胞は、甲状腺ホルモン分泌の場である。
* | まぎらわしくないときには「甲状腺」をつけないで呼べる |
** | 「沪」(JIS 第3水準、さんずいに「戸」)は、「濾」の略字(異体字)。医学・解剖学ではあまり使われないかもしれない |
*** | 「小胞」は、甲状腺濾胞の別名として使われるが、一般には濾胞と小胞とは別の意味の用語として使われることが多い |
甲状腺の内部には、甲状腺濾胞がびっしりとつまっている。1つ1つの甲状腺濾胞の内側は空洞(濾胞腔)になっている。濾胞の壁は、濾胞上皮細胞と呼ばれる細胞が作っていて、濾胞の内側と外側は完全に区切られ、つながっていない。
濾胞腔には「コロイド」と呼ばれる、濾胞上皮細胞が分泌した成分が蓄積されている。コロイドは甲状腺ホルモンの原料であるサイログロブリンを主成分としていて、ホルモン放出時に再び濾胞上皮細胞に入る。そこで甲状腺ホルモンに変わった後、完成した甲状腺ホルモンは今度は濾胞の外側に放出される。