甲状腺
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
甲状腺とは、くび(頚部)の前面にある内分泌系に属する器官。甲状腺ホルモンやカルシトニンなどのホルモンを分泌する器官。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 甲状腺 | こうじょうせん |
英語 | thyroid gland | サイロイド・グランド | |
thyroid | サイロイド |
のど(喉頭)にある喉仏(のどぼとけ)(=甲状軟骨 thyroid cartilage)のところにある腺なので、この名がある。甲状軟骨は、「長方形の盾の形をした軟骨」の意味(甲状腺そのものが盾の形をしているわけではない)。甲状軟骨よりも甲状腺のほうが有名なので、英語で thyroid とだけ言うと、甲状軟骨ではなくて、甲状腺を指すようになってしまった。
頚部の前面には、気道が通っていて、喉頭と気管があるが、これらの表層側、つまり、頚部前面の皮下にある。甲状腺は、左右で上下に長くなっていて、中央部では上下に狭い。H 形とか、蝶の翅の形とかいわれる。左右の部分の上端・下端近くの裏側(後面)には副甲状腺(上皮小体)がくっついている。
内部には、甲状腺濾胞と呼ばれる、中が空洞になった球状の構造がつまっており、ここから、2種の甲状腺ホルモン(サイロキシン;T4とトリヨードサイロニン;T3が分泌される。濾胞のすき間にあるC細胞という細胞からカルシトニンが分泌される。