臍
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
臍(サイ)とは、またはへそとは、腹部前面の中央付近にある、胎児のときに体外にのびていた臍帯(さいたい:へその緒のこと)がとれたあとのくぼみ。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 臍、𦜝 * | サイ ** |
へそ | |||
英語・ラテン語 | umbilicus | (英語読み)アンビリカス (ラテン語読み)ウンビリクス | |
英語 | navel | ネイヴル |
* | 𦜝 (「月」(にくづき)に「斉」)は、 臍 の異体字(略字)。JIS第4水準の漢字で、 OSや機種によっては表示されない場合がある(異体字の項目を参照) |
** | 「臍」の漢字の読み方は、辞書では「へそ」「セイ」しか載っていないが、医学用語では「サイ」と読む。医学用語ではこれ以外の読み方をしない |
腹部のうち、臍があるあたりを臍部と呼ぶ。臍部は腹部を縦横3×3に分けたときの中央部である。
胎児の臍帯は、胎児の体と母体をつなぐ血管(2本の臍動脈と1本の臍静脈)が通る。生まれて臍帯がとれたあと、臍の裏にはこれらのなごりの構造が残っている。臍静脈だったものは肝円索といい、肝臓の下面につながる。臍動脈(2本)だったものは、臍動脈索といい、腹壁の内面を下に向かって、膀胱の両側のほうに進む。腹壁の内面で、臍動脈索が通るすじ状の盛り上がりを内側臍ヒダという。肝円索も臍動脈索も、生まれたあとは血管ではなく、ヒモ状の構造として残っている。