臍帯
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
臍帯とは、または𦜝帯とは、へその緒のこと。母体の子宮内にいる胎児の体のへそから出るひも状の構造で反対側は胎盤につながる。胎盤では、母体と胎児の間で栄養分や酸素の交換が行われる。胎盤は母体と胎児の両方の組織が接するところで、臍帯は胎盤よりも胎児側にあるので、胎児の体の一部である。臍帯の長さは50、60cmぐらい。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 臍帯、𦜝帯 * | さいたい |
一般 | へその緒 | へそのお | |
英語 | umbilical cord | アンビリカル・コード | |
ラテン語 | funiculus umbilicalis | フニクルス・ウンビリカリス |
臍帯の中には、胎児の血管が3本通っている。2本の臍動脈と1本の臍静脈。2本の臍動脈を通して、胎児は自分の血液を胎盤に送り、そこで酸素や栄養を補給された血液が臍静脈を通って胎児の体に戻ってくる。
胎児の姿勢や位置によって臍動脈や臍静脈がつぶれたり圧迫されたりしないように、臍帯の組織は柔らかいスポンジ状の組織(ワルトン膠質またはウォートンゼリー)でできていて、中を通る血管を保護している。