内耳道 のバックアップ(No.2)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
内耳道とは、頭蓋骨の側頭骨にある穴で、いくつかの神経などが通る。外耳道(=耳の穴)とはつながっていない。
内耳は聴覚と平衡覚の感覚器だが、内耳は側頭骨の壁が厚くなっている部分(側頭骨岩様部)の内部に埋まっている。側頭骨に開いている穴である内耳道は、内耳と、脳のある頭蓋内をつなぐ短い管状の穴である。内耳道の脳に近い側の端を、内耳孔という。
内耳道を通るのは、内耳神経(第8脳神経)と顔面神経(第7脳神経)。どちらも脳神経。内耳神経は、内耳と脳をつないでおり、聴覚を伝える蝸牛神経(聴神経)と、平衡覚を伝える前庭神経からできている。もうひとつの顔面神経は、顔の筋(表情筋)などをを支配する神経で、頭蓋から出る際、いったん内耳道に入って、内耳のそばから分かれる別の穴(顔面神経管)を通り、頭蓋の外に出ていく。