橈骨 のバックアップ(No.6)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
橈骨とは、肘から手首まで(=前腕)の部分を支えている2本の骨のうちのひとつ。長骨である。前腕を支えている骨は2本あり、親指側((母指側、前腕の外側)にはこの橈骨が、小指側(前腕の内側)には尺骨がある。橈骨の代わりに、𣓤骨の漢字もよく使われるがコンピュータ環境によって表示できないので注意。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 橈骨、𣓤骨* | とうこつ |
英語・ラテン語 | radius** | (英語読み)レイディアス (ラテン語読み)ラディウス | |
英語 | 形容 | radial ~ *** | レイディアル |
ラテン語 | 形容 | ~ radialis*** | (ラテン語読み)ラディアリス |
* | 𣓤 は、 橈 の異体字(略字)。JIS第4水準の漢字なので、Mac OS X、Windows Vista/7 などで表示可能(Win XPではフォントアップデート適用後に表示可能。異体字の項目を参照) |
** | 英語、ラテン語の radius は、「橈骨」のほかに「半径」などの意味もある |
*** | 形容詞は、「橈骨の」の意味の他に「橈側の」、「放射状の」の意味もある |
橈骨は、肘と手首をつなぐ細長い骨で、断面は三角形をしている。肘のところが近位端(上端)、手首側が遠位端(下端)である。近位端で細く、遠位端で太い。
橈骨の近位端(肘の側)は、平らで小さな円板(橈骨頭)になっていて、肘で上腕骨と関節を作る(腕橈関節)。肘関節は、腕橈関節と、上腕骨と尺骨がつくる腕尺関節とから構成されている。
遠位端(手首の側)は手首の手根骨と関節(橈骨手根関節)をつくっていて、手根関節面になっている。この外側は細長く伸びていて茎状突起になっている。
前腕で並んでいる尺骨との間には、肘の付近と手首の付近と2箇所で接触しており、上橈尺関節、下橈尺関節と呼ばれる。