上橈尺関節
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
上橈尺関節とは、肘の前腕側にある関節で、橈骨と尺骨がつくる。前腕に並んでいる橈骨と尺骨は、肘と手首の2箇所で接していて、肘で接する部位が上橈尺関節、手首で接する部位が下橈尺関節である。これらの関節の働きは、手首を回す運動(回内、回外)のとき、橈骨と尺骨がねじれるが、これにあわせて橈骨と尺骨がその場で回転(=回旋)できるようにしていること。車軸関節に分類される。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 上橈尺関節 | じょうとうしゃくかんせつ |
英語 | proximal radioulnar joint | プロキシマル・レイディオ-アルナー・ジョイント | |
ラテン語 | articulatio radioulnaris proximalis | アルティクラティオ・ラディオ-ウルナリス・プロキシマリス |
上橈尺関節は、尺骨の肘頭の外側面にある橈骨切痕と、橈骨頭の関節面のまわりにある関節環状面がつくる。橈骨切痕のくぼみに橈骨の関節環状面がはまりこんで固定され、橈骨は尺骨に接しながら、その場で空回りできるようになっている。運動の向きはこの1軸のみ。
上橈尺関節は、肘関節をつくる腕尺関節、腕頭関節とともに一つの関節包に包まれているので、肘関節に含めて考えることもあるが、肘の屈曲・伸展の運動には直接関係しない。