ダグラス窩

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

直腸子宮窩でこの項目を参照しています

関連する内容が、直腸膀胱窩の項目にあります

 ダグラス窩とは、または、直腸子宮窩とは、直腸子宮を上から覆っている腹膜が、それらの臓器の間のすき間に入りこんでできる、深いくぼみのこと。立った姿勢(立位)では、腹膜腔腹腔で、腹膜に囲まれる空間)の中でもっとも低い場所になるので、腹膜に病気が及んだときに腹水がたまる場所。

言語表記発音、読み方
日本語医学ダグラス窩 *ダグラスか
直腸子宮窩ちょくちょうしきゅうか
英語Douglas' pouch *グラス・ウチ
rectouterine pouchレクト-ーテライン・ウチ
rectouterine excavationレクト-ーテライン・エクスカヴェイション
ラテン語excavatio rectouterinaエクスカウァティオ・レクト-ウテリナ
cavum douglasi *カウム・ドウグラスィ
* ダグラス Douglus は、17世紀末~18世紀前半のスコットランドの解剖学者・外科医のジェームズ・ダグラス(James Douglas)のこと

 直腸子宮膀胱など、腹腔の下部にある臓器骨盤内臓器)では、腹膜が臓器の上半分だけを覆っている。腹膜が並んだ臓器の表面に貼り付くので、臓器のでこぼこに沿って、腹膜も上下し、臓器と臓器のすき間では、腹膜が深く入り込む。この入り込みかたは、直腸と子宮の間(直腸子宮窩)がもっとも深い。

 本来のダグラス窩は女性にしかないが、男性でこれに相当する直腸膀胱窩(直腸と膀胱との間にある)のことを、慣用的にダグラス窩と呼ぶこともあるかもしれない。男性の直腸膀胱窩は、女性のダグラス窩ほど深くはくぼまない。

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