回旋

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~

 回旋とは、解剖学で回転運動の方向を示す言葉で、位置が変わらずにその場で回転だけをするような運動を指す。関節の回旋に関わる筋を回旋筋と呼ぶことがある。回旋の向きには、内旋外旋がある。

言語表記発音、読み方
日本語医学回旋かいせん
英語rotationローイション

 ある構造が回転するとき、それ自体が回転の中心(回転軸)になっていると、回転によってその構造の位置が変わらない。例えば、ドライバー(ネジ回し)でネジをしめるときのドライバーの動きを回旋と呼ぶ。一方、コンパスで円を描くときのコンパスの動きは、コンパス本体が回転の中心になっておらず、回転によってコンパスの位置が動くので、回旋とは呼ばない。

 体では、ネジ回しを長骨(長管骨)に置き換え、の長い方向を回転軸にする運動を回旋という。肩関節股関節の運動で、上腕骨や大腿骨の位置が変わらず、その場で回転する運動の向きが回旋。肩関節や股関節が球関節なので、この運動が可能になっている。また、膝関節は球関節ではないが、その関節の形の特徴から、関節が曲がっている時だけ下腿を少し回旋できる。

 前腕の回転(回内回外)は、外見的には位置が変わらない回転にみえるが、内部では橈骨尺骨がお互いの位置をずらしながらねじれる運動で、骨がその場で回転するわけではないので、回旋とはいわない。

 眼球の運動では、眼球の前後軸を中心とした回転、つまり、視線の向きが変わらないような眼球の回転が回旋と呼ばれる。この動きは意識的にはできないが、顔を傾けると眼球がそれを打ち消すように逆向きに回旋する。

カテゴリー: 方向 | 運動

 
 

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