多列上皮

『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
 

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 多列上皮とは、または、偽重層上皮とは、上皮の分類のひとつで、細胞の配列のしかたによるもの。上皮の中に細胞(核)が2列以上に並ぶように見えるが、実は細胞が積み重なっているわけではない上皮。

言語表記発音、読み方
日本語医学多列上皮たれつじょうひ
偽重層上皮ぎじゅうそうじょうひ
英語pseudostratified epithelium *シュード-ストゥティファイド・エピスィーリアム
* pseudo は「ニセの」の意味。pseudostratified は偽重層の意味

 多列上皮は、細胞が1層に並ぶ単層上皮と、細胞が何層にも積み重なる重層上皮の中間的な性質の上皮。 上皮の断面を顕微鏡で見ると、上皮の底面をつくる基底膜の近くから、上皮の表面の近くまで、細胞が(あるいは細胞核が)何層にも層をなしているように見えるので、一見、重層上皮のような外見。ただし、重層上皮では細胞がほんとうに積み重なっているのに対し、多列上皮ではすべての細胞が基底膜に接していて、細胞により背の高さ(縦の長さ)が異なるためにそう見えるだけというのがわかっている。背の高い細胞が上皮の壁をつくり、上皮の機能をになっていて、背の低い細胞は、予備の細胞のことが多い。背の低い細胞は上皮の基底部にあることから、基底細胞という。

 多列上皮では、上皮の表面に達する、背の高い方の細胞の形が、大抵の場合、円柱形である。詳しい呼び名は多列円柱上皮であるが、円柱が省略されることもある。

カテゴリー: 上皮組織 | 組織分類

 
 

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