大動脈裂孔
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
大動脈裂孔とは、横隔膜に開いた3つの穴のうちの一つで、大動脈や胸管などが通る穴。裂孔とは裂け目のような穴の意味だが、大動脈に裂け目があるわけではなく、裂け目があるのは横隔膜。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 大動脈裂孔 | だいどうみゃくれっこう |
英語 | aortic hiatus * | エイオーティック・ハイエイタス | |
ラテン語 | hiatus aorticus * | ヒアートゥス・アオールティクス |
横隔膜に開いた穴は前から順に大静脈孔、食道裂孔、大動脈裂孔の3つ。大動脈は椎骨のすぐ前を通っているので、横隔膜が体壁とつながる際に邪魔になる。横隔膜が体壁とつながるとき、大動脈をよけてつながるので、大動脈を囲むところが穴になる。大動脈の左右で横隔膜と体壁がつながるところを(横隔膜の)内側脚と呼ぶ。左右の内側脚から起こる横隔膜の腱が、腱弓をつくって大動脈の周りを囲んでいるのが大動脈裂孔。
内側脚のさらに外側には大腰筋が通り、大腰筋の外側で横隔膜が体壁とつながる場所は(横隔膜の)外側脚という。