排卵
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
排卵とは、女性の体内で卵が卵巣から放出されること。成熟女性では、排卵は、月経周期ごとに1回、たいていは左右の卵巣で交互に起こる。排卵が起こる時期は、卵巣の卵胞期と黄体期の間で、この短い時期を排卵期ともいう。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 排卵 | はいらん |
英語 | ovulation | オヴュレイション |
卵巣で、卵は卵胞に包まれて成熟するが、排卵の際は卵胞の壁と卵巣の壁がどちらも破れて卵巣の外の腹膜腔内に放出される。このとき、普通は卵巣のそばには卵管の端(卵管采)がある。卵管の端は腹膜腔に向かって開いて終わっているので、卵はここから卵管内へと吸い込まれ、子宮の方向にながされていく。卵が卵管を流されていく間にもしそこに精子と衝突すると受精が起こる。
卵が放出されたあとの卵巣では、卵が抜け落ちたあとの卵胞が黄体に変化する。
排卵のとき卵巣外に放出されるのは、卵とともに、卵胞内で卵を囲んでいる卵丘をつくっている細胞である。この細胞は排卵された卵を数層に囲んでいて、放線冠という。卵は放線冠に囲まれたまま、卵管を流れていく。