精子
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
精子とは、男性の配偶子(生殖細胞)で、精巣(=睾丸)で作られる。女性の配偶子である卵と細胞融合(=受精)をすると、接合子となり、そこから別の個体(こども)ができる。精子を作り出して、それを体外まで送り出すのが器官系である男性生殖器系の、ひとつの目的である。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 精子 | せいし |
日本語 | 医学 | 精虫 | せいちゅう |
英語・ラテン語 | sperm | スパーム | |
英語・ ラテン語 | 単数 | spermatozoon | スパマトゾーオン |
複数 | spermatozoa | スパマトゾア |
精子の特徴は、
- きわめて移動しやすい形になっている。頭部と尾部からできていて、頭部は、ほぼ細胞核だけからできていて小さく、尾部は、長い鞭毛でできている。細胞質がほとんどない細胞。鞭毛を自分で動かしてすばやく移動できる。
- 卵と同じく、細胞核内に保存されている遺伝子のセットであるDNAが、2組(2n)ではなく、1組(n)だけになっている。単数体。一倍体。卵と細胞融合すると、子の遺伝子は父由来と母由来の遺伝子を1組ずつで2組になる。
精巣で精子が作られるところは、精細管のなか。ここで、精祖細胞が分裂しながら増えていて、その一部が減数分裂したのち、精子独特の形に変形して精子になる。精祖細胞が精子になる変化のことを、精子発生という。また、減数分裂の終わった細胞が精子の形に変形することを精子完成(=精子形成)という。