卵胞
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
卵胞とは、卵巣で、卵細胞を包みこんでいる球状の構造で、多くの細胞が集合してできている。卵細胞が卵巣から排卵されるときには、卵胞が壊れて卵細胞がなかから飛び出す。また、卵胞の壁を作っている細胞は、エストロゲン(卵胞ホルモン)を分泌する。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 卵胞 | らんほう、らんぽう |
濾胞* | ろほう | ||
英語 | ovarian follicle | オヴァリアン・フォリクル | |
ラテン語 | folliculus ovaricus | フォリクルス・オウァリクス |
卵胞の成長 †
女性の卵巣には、一生の間に排卵する分よりもたくさんの卵細胞がすべて蓄えられているが、それらはすべて卵胞細胞という細胞にとり囲まれて休眠している。休眠している卵細胞が入っている卵胞のことを原始卵胞という。原始卵胞は、平べったい(扁平な)細胞が1層で囲んでいるだけのごく小さな卵胞。
卵細胞の休眠がやぶれ、排卵の前になると、卵胞細胞が分裂をはじめ、卵胞が大きくふくらんでいく。排卵の直前には卵胞の大きさは2 cmほどになる。排卵直前の大型の卵胞を、成熟卵胞(グラーフ卵胞)という。
排卵と黄体 †
排卵で、卵胞の中の卵細胞が飛び出ると、あとに残った卵胞の部分は、黄体に変化する。黄体からは、エストロゲンのほかに、プロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌される。
卵胞の閉鎖 †
排卵に向けて、発育を始める卵胞はいくつかあるが、そのうち1個を除いて残りは排卵までの間のいつかに発育をやめてしまう。これを卵胞の閉鎖、発育をやめた卵胞を閉鎖卵胞という。