海綿骨
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
海綿骨とは、または骨の海綿質とは、骨組織の構造のひとつで、硬い骨の部分が網の目のように張り巡らされた、スポンジ状の骨のこと。そのすき間には柔らかい骨髄が入り込んでいる。網の目状になった細い骨の部分を骨梁( trabecula )という。骨組織には、この海綿骨の他に、全体が硬い骨だけからできている部分である緻密骨(緻密質)がある。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 海綿骨 | かいめんこつ |
海綿質 | かいめんしつ | ||
英語 | spongy bone * | スポンジー・ボーン | |
cancellous bone ** | キャンセラス・ボーン | ||
trabecular bone *** | トラべキュラー・ボーン | ||
ラテン語 | substantia spongiosa † | (英語読み)サブスタンシア・スポンジオーサ (ラテン語読み)スブスタンティア・スポンギオサ | |
substantia trabecularis *** | (英語読み)サブスタンシア・トゥラべキュラリス (ラテン語読み)スブスタンティア・トラベクラリス |
* | 海綿骨に対応 |
** | cancellous は「網目状の」の意味 |
*** | trabecular, trabecularis は 「trabecula(骨梁、梁柱)の」の意味 |
† | substantia は ~質なので、海綿質に対応 |
通常、骨の表面には、硬い骨組織がみっしり詰まっている緻密骨(緻密質、皮質骨)があり、海綿骨は、その内部で骨髄に接する部分にある。ここでは、硬い骨組織が骨梁と呼ばれる細い部分が網目状につながりあっていて、そのすき間に入り込んでいるのは、骨の内部にある骨髄の組織である。骨髄は血球をつくる場所で、年齢とともに次第に脂肪組織に置き換わってくる。