海馬
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
海馬とは、大脳に属している脳の部位の名前。大脳皮質の中でも系統的に古い大脳古皮質に含まれ、機能としては、新しい記憶(短期記憶)の形成や情動(気持ちの動き)などに関与する。大脳辺縁系に含められる。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 海馬 * | かいば |
ラテン語・英語 | hippocampus* | (英語読み)ヒポカンパス (ラテン語読み) ヒポカンプス |
* | 海馬は hippocampus の訳語で、海馬の形がギリシャ神話の海の怪物ヒポカンポス(hippokampos、hippo=馬、kampos=[海の]怪物)の尾に似ていることからつけられた。ヒポカンポスは頭と胴体が馬、しっぽが魚の形をしている怪物。タツノオトシゴも漢字で海馬と書くが、同じくヒポカンポスの学名がつけられている。ちなみに、カバは漢字で河馬、学名は Hippopotamus(ヒポポタムス、hippo =馬、potamos=川)。hippo (ヒッポ、馬)が共通 |
側頭葉にあり、その表面に面してはいるが、脳が入り組んだところにあるので、脳の周囲からは隠れていて見えない。側頭葉の表面を下にたどり、さらに内側に回り込んだ先のいちばん奥まったところにある。側頭葉の中を通る側脳室にも接して前後に細長くのびる。