房室弁 のバックアップ(No.1)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
房室弁(ぼうしつべん)とは、心臓内にある弁(逆流防止の開閉する仕切り)で、心房と心室の間にあるもののこと。心房が収縮して血液が心室に送られるときは開き、心室が収縮して血液が動脈に送られるときには閉じることで血液が心房に逆流するのを防ぐ。右心房と右心室の間の右房室弁と、左心房と左心室の間の左房室弁がある。この2つの構造は似ているが、弁のパタパタ動く部分の枚数が右房室弁では3枚、左房室弁では2枚であることが違っている。右房室弁の別名は三尖弁、左房室弁の別名は僧帽弁(または二尖弁)。
房室弁の構造 †
房室弁は、ヨットの帆のような形をした弁で、弁尖(帆の布の部分)、腱索(帆を支えるヒモ)、乳頭筋(ヒモと船体をつなぐ部分)などからできている。弁尖とは、2枚または3枚の膜状に飛び出した、パタパタ動く部分(=弁尖)のことで、心房と心室の間はこの弁尖でふさがれる。腱索は弁尖の先端部と心室内に飛び出した筋である乳頭筋とをつなぐひもで、弁尖は心室側か支えられている。このため、弁尖は心房側から押されると心室側には倒れることができるが、心室の側から押されても腱索がささえになって心房の側には倒れない。
心臓内には心室と動脈の間にも弁があるが、こちらの弁は房室弁とは構造が全く違っていて、むしろ静脈弁に似ている。