硝子軟骨
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
硝子軟骨とは、または、ヒアリン軟骨とは、全身の軟骨をつくっている軟骨組織の種類のひとつ。軟骨の主成分である軟骨基質が半透明でガラスのように透き通っていて、内部に線維が含まれていないように見える軟骨組織のこと。硝子軟骨でできている軟骨には、全身の関節軟骨のほか、肋軟骨、気管軟骨、気管支軟骨などがある。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
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日本語 | 医学 | 硝子軟骨 | しょうしなんこつ、ガラスなんこつ |
ガラス軟骨 | |||
ヒアリン軟骨 | |||
英語 | hyaline cartilage | ハイアリン・カーティリッジ | |
ラテン語 | cartilago hyalina | ヒアリナ・カルティラゴ |
軟骨組織は、軟骨細胞と軟骨細胞が周囲に分泌したものがたまってできる軟骨基質でできている。軟骨基質には、プロテオグリカンなどの細胞外基質と、線維が含まれている。線維の種類によって、軟骨組織は3種類に分類されている。弾性線維がたくさん含まれている弾性軟骨、コラーゲン線維がたくさんふくまれている線維軟骨に比べて、硝子軟骨はふつうの顕微鏡では線維が含まれていないように見える。しかし実際には、太い線維は含まれていないが、電子顕微鏡でみると、コラーゲン線維のもとになるコラーゲン細線維はたくさん含まれていて、この軟骨の弾力性をつくっている。このコラーゲン細線維をつくっているコラーゲンタンパク質はII型コラーゲンである。