漿液 のバックアップ(No.1)
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
漿液とは、比較的粘性の低い(水っぽい、サラサラした)水溶液のこと。体をつくっているさまざまな液体や、体の内外に分泌された液体などについて言う言葉。漿液よりも、もっと粘性の高い(どろっとした、ベタベタ・ねばねばした、ゾル状の)液体を粘液という。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 漿液 | しょうえき |
英語・ラテン語 | 単数 | serum | (英語読み)スィーラム (ラテン語読み)セルム |
複数 | sera | (英語読み)スィーラ (ラテン語読み)セラ | |
英語 | 形容 | serous ~ | スィーラス |
「漿液」という名詞としてはあまり使わない。分泌された液体がどろどろでない、水っぽい様子や、そういう液体を分泌する性質があることを表す形容詞 漿液性の~(英語 serous ~)のかたちで使うことがほとんど。
汗や唾液などをはじめとして、漿液といえる液体は数多くある。ふつうは、水に塩類や蛋白質、糖類などが溶けている液体だが、成分はいろいろである。粘液では、さらに高濃度のムチンなどの糖蛋白質やプロテオグリカンなどが含まれている。
関連事項 †
- ちなみに唾液には2種類(粘液性の唾液、漿液性の唾液の両方)がある。
- 漿液を分泌することで、いつも漿液で湿っている膜を、漿膜という。一方、粘液で湿っている膜は、粘膜。
- 国語辞典では、「漿液」は「どろっとした液体」の意味とされていることがあるが、医学・解剖学用語での漿液は、(確かに水よりはどろっとはしているが)それほどどろどろというわけでもない。もっとどろどろした液体を粘液と呼ぶためか。
- 日本語の「漿液」と英語の "serum" とは意味がずれることがあるので注意。英語の serum は、血清(けっせい)のこともさすが、これは blood serum (「血液の漿液」)を略した言い方からきている。一方、日本語では、「血液の漿液」に対応する言葉なら、血清ではなく、血漿という言葉もある。日本語の血漿を英語にすると、blood plasma ブラッド・プラズマ という別の言い方になってしまう。
詳細は、血清、血漿の違いを参照。 - 漿液の 漿 の上の部分 將 は、 将 の旧字なので、自分で書くときには、 将 の下に 水 を書けばよい。
カテゴリー: 一般構造 | 液体