粘膜
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
粘膜とは、体の内外の表面を覆っている膜状の構造の一種で、表面が粘液でいつもぬれた様に覆われているタイプのもののこと。体のあちこちにある。粘液は、粘膜から常に分泌されて続けているので、粘膜の表面が乾燥するのを防ぎ、保護するなどの働きがある。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 粘膜 | ねんまく |
英語 | mucous membrane | ミューカス・メンブレン | |
ラテン語 | mucosa | ムコーサ |
粘膜のある場所 †
粘膜は、眼球の白目やまぶた(=眼瞼)の内側(=結膜)、鼻の穴の中(鼻腔)、口の中(口腔)、のど(咽頭や喉頭)、その下に続く気道や消化管の内側、尿道の内側、子宮や膣の内側など。ただし、粘膜の構造は場所によって特徴的な違いがある。
一方、ヒトの皮膚には、粘液が出ていないため、粘膜ではないが、カエルの皮膚は粘膜といえる。
粘膜の、粘液に覆われている側は、みな体の外側とつながっている場所である(例:消化管の粘膜は管をたどっていくと、口と肛門で体外とつながっている)。粘膜の粘液でおおわれていない反対側は、だから、狭い意味で体のほんとうの内側に相当する。粘膜のある場所は、体の外側と内側との境界をつくっているといえる。
粘膜の構造と種類 †
粘膜の表面には、上皮(粘膜上皮)という細胞層があり、その下側に結合組織の層(粘膜固有層)がある。粘膜上皮は、その粘膜の場所(役割)によって違っている。
(上皮の種類を参照。)
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