粘液
『1年生の解剖学辞典』~ 解剖学をこれから学ぶ人向けの用語解説 ~
粘液とは、どろどろの(粘性が高い)液体のこと。動物の体で分泌される粘液は、たいていの場合、ムチンなどの糖タンパク質を大量に含んでいるのが、どろどろの原因。器官、組織によってさまざまに異なる粘液が分泌されていて、さまざまな役割を果たしている。
言語 | 表記 | 発音、読み方 | |
---|---|---|---|
日本語 | 医学 | 粘液 | ねんえき |
英語・ラテン語 | mucus | (英語読み)ミューカス (ラテン語読み)ムクス | |
英語 | 形容 | mucous* | ミューカス |
英語・ラテン語 | 連結 | muco- | ムコ~ |
* | 形容詞形「粘液性の~」 |
粘液とそれを分泌する器官・組織 †
消化器系 †
- 唾液の一部:唾液は、唾液腺から口腔に分泌され、口腔粘膜を覆い、また食べ物と混ぜられる。いくつかある唾液腺では、分泌される唾液の粘性がちがっている。粘液を分泌する唾液腺は、舌下腺と口腔内に散らばっている小唾液腺(口唇腺、後舌腺など)。
- 食道の粘液:食道の粘膜を覆っている粘液は、食道腺から。
- 胃粘膜の粘液:胃の粘膜は粘液で覆われており、胃液で消化されないように守られている。胃の粘膜の表面にびっしり並んでいる表層粘液細胞や、胃腺の内部の頚部粘液細胞(副細胞)から分泌。
- 小腸、大腸粘膜の粘液:内腔に面した粘膜には杯細胞(ゴブレット細胞)と呼ばれる粘液分泌細胞がある頻度で混ざっていて、粘膜の表面を粘液で覆っている。これとは別に、十二指腸では、十二指腸腺(ブルンナー腺)からアルカリ性の粘液が分泌され、胃で酸性にされたものを中性に戻す。